JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

第60話「あんたこの波乗りジョニーをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、月収6万円で生活する

脚本:松田ニコルソン
監督:高坂ニコルソン

あらすじ

 いつもその時代考証のなさが仇となり閑古鳥が鳴く嘉吉のビーナス屋に常連客が現れた。毎度2のつく日にビーナスを買っていく末吉(藤堂伍一)は凄腕の相場師であり、一度気まぐれで買ったその日に米相場が爆上がりして以降、験を担ぐために嘉吉の店を訪れていたのだった。そして小麦を抱えているところにウクライナ戦争の勃発とカリフォルニア小麦の不作が重なり、巨額の利を得ることとなった彼はディープステート(四千頭身)に命を狙われる羽目に陥ってしまう。彼の妻およう(燐隊長)はなにも知らず、命を受けてやって来た殺し屋・アライさん(古川ロック)とすっかり今期のアニメの話と音楽の話で意気投合、結束バンドのコピーバンドをうっかり始めてしまう。時代考証の垣根を超え江戸の街に響くおようのギターソロ24小節は、果たして日本のロック史の夜明けになるのか?しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

後期話数~最終回まで使われた嘉吉のビーナス屋セット。延々流れる呼び込み君(歌:平尾ニコルソン)の音楽と、おなじみの嘉吉の独特の抑揚をつけた「いらっしゃいませこんにちわぁ~」が浮かんでくるようだ。

解説

 当初「殺さない必殺」を考えすぎて「誰も殺されないやさしい必殺」という境地に辿り着いてしまった脚本が間違って企画会議を通過、慌てて山内ニコルソンが介入してDパートで小笠原海溝から深海奉行(今井健二)を上陸させ、江戸を火の海にする展開になんとか持ち込んだ怪作。しかしそつなく楽しめる作品に仕上がっているのが印象的。脚本クレジットは結局松田ニコルソン名義になっており元々を誰が書いたかは不明だが、ゲスト全員特殊性癖を持つところとやたら将棋の話で盛り上がるところでお察しである。

作中結束バンドのコピーバンドとして結局メジャーデビュー後、深海奉行に踏みつぶされたバンド「パンク家斉」の演奏シーン吹き替えは佐賀県の某パンクバンドによって行われ、アヘンを礼賛する内容の歌詞が物議を醸した。

次回予告

信長様はもういないのです。あれだけ待ち焦がれていた戦国の世も、終わってしまえば儚さに、今惜別の敦盛の舞。東の風祭、西の林田、南の火野、そして北の山田。次週新必殺仕業人、ご期待ください。