JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

第37話「あんたこの原子力発電をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、駅前に立つ

脚本:野上ニコルソン
監督:松野ニコルソン

あらすじ

 嘉吉がうろ覚えの「うっせえわ」を歌いながら売れ残りのビーナスの埃を払っていると、そこに通りがかった与力・松永(今井健二)により「時代考証乱したる件誠に不届き千万」と召し取られ、百叩きの罰を受けることになってしまう。収監された小伝馬町牢屋敷にはスーパースター・出戻り銀次が畳の上で牢名主として君臨しており、「今娑婆は地獄ですよ。江戸時代だからってスマホもネットもないってんですから」と嘆く。狂信的な時代考証家である松永を中心に立ち上がった、奉行所時代考証取り締まりの波はやがて主水の通う女子高にも及ぶ。多数の捕り方に囲まれ自害した女子高生目明し・ゅぅ(夏夕子)の依頼を請け立ち上がった仕業人たちは、これを迎え撃つため江戸に電気を普及しようと原子力発電所(鬼越トマホーク坂井)を建設するが、しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

原子力発電所は倉橋(美術・倉橋ニコルソン)さんがちゃんと図面作って、海辺でやりましたね。マジでIAEAの査察が来てビックリした」とは、山内ニコルソン談

解説

 江戸時代における、時代考証をはみ出した者たちへの弾圧の歴史を踏まえてみると味わい深い、野上ニコルソンの描く弱者視点のドラマが光る作品。時代考証から外れる必要がなく守旧派のやいとやと、金のためにそこからはみ出さざるを得ない主水、そして出自から既にはみ出してしまっている嘉吉とで生まれた小さな対立は、最終回のチーム崩壊劇に向けた伏線となっている。今井氏は21話での登場シーンがよっぽど気に入ったのか、今作では三原山の火口から登場している。

今井氏はカニの甲羅のようなプロテクターをまとい、マグマの中でも生きられるよう進化し撮影に臨んだほど、火口からの出現が気に入っていたと当時を振り返り語っている。

次回予告

もう、あの人は宛てにできない。ならば私は進むしかない。本当にどこまで出来るかなどもわからず、今、一億ドルの海へと漕ぎ出す。次週新必殺仕業人、ご期待ください。