JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

第21話「あんたこの怒りのトマトスープをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、あやしげなセミナーに行く

脚本:松田ニコルソン
監督:松野ニコルソン

あらすじ

 嘉吉は下駄の鼻緒が切れて困っていた小間使いの女性おらん(井川遥)を助けるも、貧乏そうな身なりと時代考証のなさ、そして口にする木星訛りが癇に障られたのか袖にされてしまう。偶然その様子を見て嘉吉をからかうやいとやだったが、おらんが髪飾りに着けていた「アベ政権を許さない」バッジを見て不意に胸騒ぎがする。ほどなくして嘉吉・やいとやともに彼女の身辺を調べてみると、意外とモテ男の出戻り銀次の彼女の一人と判明する。出会い茶屋の布団の中で仲睦まじく布団にくるまる二人。キセルから気怠い煙を吐き出し「ま、俺もそのうちビッグになるから…」とピロートークを展開する銀次を天井裏から眺めながら、「許せない…」と仕業人たちは怒りの気勢を滾らせるのであった。しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

おらんの持つ謎の物体については終始明かされることはなかった。

解説

 井川遥と鶴田忍のベッドシーンをお茶の間にたたきつける意欲作だが、このままだと銀次を殺すしかない感じに話が進みすぎるという脚本のしくじりでCパートで突然浅間山が噴火し、その火口から出てきた極悪奉行(今井健二)を仕置きする方向で話がまとまることになった。「必殺!5黄金の血」と並ぶ、ヒロインの怪演だけが面白い必殺としてファンの記憶に刻まれる回。なお今作の脚本家松田ニコルソン名義は、プロデューサー山内ニコルソン氏の変名である。

極悪奉行は史実とのことで、芥川隆行のナレーションつきでこの江戸時代の古文書が挿入された。