JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

第42話「あんたこのガツンと一軒家をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、縄文時代に行く

脚本:保利ニコルソン
監督:長嶋ニコルソン

あらすじ

 度重なる貨幣改鋳でビタ銭ばかりが混じるようになった江戸。主水は同級生ともちん(小林トシ江)と原宿のカフェで、ちょっと前と比べても味の落ちたぱさぱさのパンケーキをほおばりながら不景気を実感していた。いつもはよく知らない韓流アイドルの話を一方的にだらだらと喋るともちんだが、不意に「ところで、江戸にお上が裁けない裏の稼業とかがあるっていう話なんだけど」と切り出す。詳しく訊けばこないだの授業中体育の先生・藤岡琢也宍戸錠)にスマホを没収され、返してもらうまでの2日の間で、お気に入りのYoutuberピカル(桂歌丸)の生配信が観られなかった恨みを晴らしてほしいと切り出し、一朱銀五枚をぱらぱらとブランド財布から取り出す。デフレの波は裏稼業にもかと苦笑しつつ主水は「まじー、しらなーい」と適当なギャル語で返すのであった。しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

「長嶋ちゃんはな、藤岡琢也宍戸錠の区別が最後までついてなかったな。小学校のころ愛川欽也石立鉄男を間違えて覚えてたじまニコルソンくらい意味わからへん」(山内ニコルソン・談)


解説

 デフレ経済や不景気をもっともらしく風刺しようとして豪快にしくじった失敗作。この回の撮影は何故か高圧電流の流れる電線が張り巡らされた中で行っており、特に間違って三回触れてしまった宍戸氏は現在も入院中。ほかスタッフ三名も犠牲となり、その理由は今もって不明。ピカルと対峙する嘉吉の場面は脚本段階では「おめえの眼…まる描いて…チョン?」と問いかけるものだったが、完成作品では大幅に変更され「南部牛追い歌」を歌いながら笑顔で異次元に飲み込んでいる。

「高圧電流に触れたスタッフを見ながら、いろんな顔が思い浮かびましたんや。独り立ちすると言ったアイツ、調子に乗って映画企画したアイツ、維新から出馬した───」と藤田まこと氏は当時を振り返る。

次回予告

この道を行けば行きつく果ては、地獄道。それがわかっていながら、私にできることは何もない。ならば、いっそこの身を、どうかこの願い届きますよう。次週新必殺仕業人、ご期待ください。