JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

第43話「あんたこのコウメマイルドをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、気持ちがいい監督に会う

脚本:安倍ニコルソン
監督:渡邊ニコルソン

あらすじ

 この江戸で最早知らないものは誰もいなくなったスーパースター・出戻り銀次。そのきっかけは不安すら感じさせる弾けるような笑顔で飛び跳ねるような不安定なポーズをとり指差し確認で「ヨシ!」と叫ぶ、そして作業確認におけるトリプルチェックの無意味さをシニカルに風刺したネタコントが万バズしまくったのが始まりであった。その後天才放送作家宇兵衛(島米八)と組み、一つ一つの仕事をこなしているうちに、銀次はいつのまにか「おもしろ怪物ノーマン」を演じている事に気付く。素で天才の銀次は、この芸風がもたらす悲劇的な結末を理解はしているものの、この人気の流れでは迂闊に辞めることは許されるわけもない。「がんばります!」と叫びながら足つぼマットの上を歩き大衆の爆笑を誘う銀次の眼に、「俺を殺してくれ…」という悲壮なメッセージをひそかに受け取る主水。しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

「がんばりま~す!」はそんなに盛り上がらなかったのに、万バズの破壊力は洒落にならなかった、と鶴田氏は回顧している。

解説

 スペクトルマン49話「悲しき天才怪獣ノーマン」を下敷きにしたようなストーリー。谷川俊太郎「詩人の墓」を「芸人の墓」に昇華した水中、それは苦しいみたいなもん、とは脚本の安倍ニコルソン談。作中5回くらい主水がネビュラ遊星にスペクトルマンへの変身許可を申請しているが、1回間違って申請が下りてうっかり変身してしまい該当シーンはカットされた。なおこの回で当番組は第23回日本腰砕け賞を受賞し、山内ニコルソンの家に柿の種1年分が届いたとか。

「ネビュラ遊星に申請して巨大化するだけ、演技もなんもあらへんと思ってたけど、やってみるとなかなかいい思い出ですわ」(藤田まこと著「必殺スペース一代記~嵐山主水火星コロニー奮闘記」より)

次回予告

言いたいことなど何もなかった。殿様がえる、ソクラテス。かえるも色々あるけれど、浜の真砂の数は尽きまじ。破れかぶれの地平線に、きのこ雲だよ落下傘。次週新必殺仕業人、ご期待ください。