JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

近頃の若い者は

 会社で新しく入った人が「ついていけなくて…」と即離脱という出来事があって、色々と考えた。
 会社一堂が「いや、そんな辛いことさせてないよ?」「ラクだったよ?」と首をかしげる

 ひょっとしたら、な話。

 外山恒一は「優れた大衆音楽家は、誰でも真似できそうと思わせるところがなきゃならない」とブルーハーツを論じた際に述べている。いい言葉だ。大衆文化には優れたフォロワーが必要なのだ。優れたフォロワーが、新しいそれに取って代わるものを生み出す。

 今、考えて見渡してみると、一見してこの会社、ぎちぎちの能力で動いていて誰一人
 「この人の真似するにはどれだけ働かなきゃならないんだ?」
 と思うしかない人々だらけな気がする。 

 原因はもちろん人件費のコストカットによる個人への業務負担の増加。
 5人の分業よりも一人のスーパーマン
 「あ、この人ならなれそう」という人、いないなあ。

 もちろん簡単に真似されたらお飯の食い上げだけれども。
 それが生存競争の正しいありかただと言われればそれまでかもしれないけれど。
 若い世代の草食化、などという言葉が好きなマッチョイズム信奉者に言わせりゃそうなんだろうけど。

 逆に考えて。
 仕事を通じてフォロワーに「あ、この人ならなれそう」と思わせるっての。
 これ考えると、30〜40の人間には「ないわあ!」だなあ、確かに。
 上の世代はリストラする気満々。同世代は氷河期でアップアップ、自己責任論と自己啓発で鬼の形相で乗り切ったのがうちらだ。


 さて、この現実的にフォロワーが一気に減ってしまった世の中を見て、世間は焦っている。
 「若いのは何考えとるのか分からん!!」「草食でつまらん!!」「もっとマッチョにならなきゃ困るよきみぃ」
 これらの言葉が飛び交う、この日本国内の企業の風潮で、若い人材を「優れたフォロワー」に導くのは土台無理な話なんじゃね?でも、優れたフォロワーがやってこなければ、このままジリ貧なんじゃね?

 これをして「どうすればいい?」と問われれば
 「国際的な経済戦争に勝つためには、草食な連中はうち捨てて外国人を入れよう!!」
 というのが一番現実的かつ即応的な答えになるのかも。
 だがしかし、それをして。
 「さすがにそれは日本の危機だ!!」「日本民族を、文化を滅ぼす気か!!」
 とレイシズム的な反応が強く生まれている。
 また流石に現実に、外国人労働者などで治安の低下等が起きた現実を鑑みると、それは「答え」なだけであって「正解」ではないような気がする。


 とりとめもない話になったけど、とりあえず言いたいことがあってですよ。
 とりあえず自分だけでも、マッチョイズムに染まる気もない人間が居られるこの会社はいいほうです。
 たのむ、残ってわしの仕事を減らしてくれえ(苦笑)。

 自分だけでもマッチョをひけらかさない、は務めてるつもりなんだけどなあ・・・。