リトルバスターズ!感想
ええー、今更ー。買って4年積んでたんじゃないか?
理由はいくつかあって、一番大きなのは買ったの結婚時期だったのよね。
今更学園物って気分だった。
だーまえの学園物だよ?
脳内麻薬で書き散らした言葉遊びで綴る「ビューティフル・ドリーマー」だろこれ、って予想がついた。
おそらくそこまで外れないだろう。
さて、終えて一言。積んだのは正解だった。
おそらくこのときではブーイングを発してたんじゃないのかな。
はっきり言ってしまえばそのときにもやっと予測した上記の全体像、そっから殆ど外れていなかった。
おそらく「オタクの啓蒙」を大上段に構えて何かしらメッセージを発するだろう。
それも全くの予想通りだった。
多分、予想通り過ぎてつまらなかったはずだ。
さて、今やって正解だった。及第点だったと思う。
・・・とはいえ、このゲームにはそこまでポテンシャルはなかった、っていうのが感想かな。寂しい話だけれど。
クラナドにさかのぼると、ゲーム的にはこれは不完全ではないかという仕掛けがあったりした。
AFTERのTRUEエンドの入り方。明らかにボリュームを多くしすぎたシナリオ群。その失敗から得られた
「ループした既読テキストをいかに自然にプレーヤーに読ませるか」
という命題から考えたんだろうなあ。あのリフレインの仕様は。
リトバスは正直ゲーム的には快適すぎるくらい。
だけれど、それにシナリオがついていっていなかった感。
個別シナリオの、ライターの力量が追いついていなかった。
代替わりしたな、と感じた。
代替わりしたライター達は、ビジュアルノベルを見て育った世代だ。
それがみてとれる。文法どおりに表層をなぞって、地滑りを起こさせたようなシナリオがいくつかあった。でも、それは評価すべきことなのだろう。
もうこういったシーンは彼らのものだ。自分たちの世代からは離れてしまったのだと思い知る。
及第点で、ゲーム的には瑕疵も破綻もなく。
とりあえず、やってよかったという満足感は手にできた。
それでよかったのだろう。
クドがとにかく可愛かった。
***
面白かったのは、「オタクのマッチョ願望」の具象化サンプルがどこかしこにちりばめられていたこと。
鈴が150kmの球投げたり、来ヶ谷が無駄に強かったり。
こういうのはオッサンのオタクでは標準装備だ。宮崎勤事件というグラウンドゼロを体験してたオタクは常に自分を弱い立場におく。
心の底でマッチョ願望を持たない、あるいは持たなかったオタクはあまりいないと思うのだ。
ネットで群れて、万能感や支配欲が簡単に手に入る昨今。
ライトオタクなんて人種、昔だったらヤンキー族のほうに流れていたろう。
ヤンキー族の末席に入るのと同等の万能感が、ネット上で得られる。いともたやすく。匿名コミュニティがそれに取って代わってしまった。
そこから抵抗なく、オタクカテゴリーに入ってくる人が多い。
そんなイマドキの若いオタク、もうマッチョ願望なんて持ってないんじゃね?こういうの古いんじゃね?とも思ったけど、「アクセル・ワールド」なんかが流行ってると聞いたから、おんなじなのかもね。
アニメが当たるといいねえ。