今昔聖

　今日会社を早退した。
　理由として病名を書くとおそらく「PTSD」がしっくりいく。

　それを告げると、きっとマッチョな輩は『何でそんなことで仕事に支障をきたすんだ』と憤慨し、紛糾し、糾弾するだろう。
　だけれど、動けなくなるほど衝撃的に嫌な思い出がいっせいにフラッシュバックを起こした。
　その心の痛みは癒えるまでには時間がなさ過ぎたんだ、そう感じた。

　備忘録的に書いておくけれど、会社の人を責める気は毛頭なく、無意識でやったことが自分の精神に反応して起こったことだとわかっている。
　そもそもこういった事を足がかりに「あんなことがあった私にこんな事をけしかけるなんて！！人権なんちゃらニダ！！」とか弱者ファシズムをけしかける行為は嫌いだ。波風を起こす気はさらさらない。大体なんなんだニダって、変なサイト見すぎだ。
　でも、自分にとってだけは本当に辛い事を強いたんだ、ということは書いておこう。思い出すだけでもやはり辛い。忘れなくては。
　うつ病が深刻になって薬の世話になると、お酒が飲めなくなるのだ！！

　自分の痛みを分かち合える人と今日はひそやかに飲みたい、そう思った。一人いるんだけど遠くの人で、まあ無理なんだけれど。

　早退後の午睡。悪夢でも見るのかと思えばたおやかな日常の夢を見た。
　嫁とスーパーマーケットで「あ、こんな新商品が出てる」だとか、そんな感じで物色をしていたような。それから旅の準備を始めようとうきうきだとか。
　まだまだ本当に病んで、この世界を諦めるには早すぎる。そう言われている気がした。
　一日脳内で人間椅子の「今昔聖」がかかっていた。

　苦しみを見ない振りする皆々様よ
　安らぎは試練からしか学べないのじゃ

　笑え　笑え　雄獅子のように笑え
　笑え　笑え　打たれようとも笑え

　どこに行こうと神はいる