青雲高校の夜空は無駄に美しい
朝、西日本新聞のある記事に目を疑った。
青雲学園の子が寮で自殺したという報道。
嫁はオードリー若林の大ファンで、彼らの記事をスクラップにしてたくさん保管してある。彼らは青雲と同じような、男子校の中・高出身。彼らが母校に凱旋してライブを行った後の、若林の文章がすばらしかった。
「隅っこで冷めた目で斜め下を向いていた子。あれは十何年前の僕だから。あの君に言いたい。これからいっぱいいっぱい、いろんな面白いことに出会うといいね。」(※うろ覚え、原文はもっと美しかった)
その文章が頭にパッと浮かび、そしてその子は越えてはいけない一線を越えることを選んだという冷たい事実が、なんともやるせない気持ちにさせてくれた。
自分は落ちこぼれの部類の学生だった。
あの学校の全ては肯定しない。
そして自分も何度も挫折を味わったり、絶望したりして。死んじゃったほうが増しだ、だなんて思いつめたことは幾度もある。
辛いことがあって、思いつめて、夜中部屋を抜け出して歩いた、運動場脇のコンクリートの冷たさ。
そこでばったり出くわした、当時一番おっかないと評判だった寮監。
そこで交わした、なんともない会話と、そこに込められた「お前も色々あるけど、がんばれな」という檄。
なんともない会話で一緒に眺めた夜空は、無駄に美しかったなあ。
彼も眺めたのだろうか。
未だに、あの寮の夢を見る。
寮に置いてきた昔の自分の分身が、そこで死を選んだような気分に陥ってしまった。
あの寮を出た後の自分を思い出す。辛いことも楽しいこともそこから先にたくさんあったのだ。むしろ、そこから先が本当の「世界」だった、はずなのに。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
しかし青雲、悪いニュース続くね。卒業生としては辛いものがあります。