JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

映画の予告編のような日

 今日あった出来事をつらつら書く。午前中に起きた話を。

 もともとカミさんは4週間ほど入院をしていた。この間だが病院食はほとんど口をつけず、胃袋がすっかり縮こまったのか退院してから一週間、食欲は全く戻らなかった。退院してからほとんど食事を取らないカミさんに、一週間後の検診通院が待っているのは酷であった。しかも今年の福岡、異常気象で雨が降らない。恐ろしい地熱。案の定駅まで歩くさなかでダウン。路上で仕方なく救急車を呼ぶことに。
 んでもって、救急病棟の待合室で今度は俺を腹痛が襲う。思い当たる節がある食あたり。悪いことに便秘気味で、何度も襲うものだから個室から出てうずくまってしまう。救急車で身内を運んで自分が倒れるとは不覚。まあ大病院だからか偶然医者が通りがかって、今度は俺が救急病棟のベッドに…。
 妹にメールをしたら「今義姉の手術に立ちあっとる」おいおい!!聞いてねえぞと思い返信したら足のできものの除去という生命の危険ではないものの様子。
 で、ふかふかのベッドに寝れて10分もしないうちにいきなり電話が鳴った。着信は「母」。いきなり見知らぬ男性の声。「救急隊員です、あなたの母が路上で倒れてます。言葉もろれつが回らないようなのですが…」

 …と、言うわけで「わが一族の一番長い日」がスタートした。
 午前8時から11時の間に起きた出来事。
 どう考えても映画の予告編のようにめまぐるしく出来事がスパンスパンと起きまくって死ぬかと思ったのだが、ここから自体は急速のしょぼしょぼの方向に進展していく。

 救急隊員に今の状況を説明する。
 「今家内が体調が悪くなりまして、別の病院に救急搬送してる最中なんです」
 「えっ?」
 いやあ救急隊員もびっくりしたことだろう。動揺した様子だったが
 「ちょっと母に代わってあげてください」
 さすがにろれつが回らないと聞くと脳梗塞等を想像する。
 「もしもし!」
 「あ〜、暑くて転んだだけ〜、大丈夫〜」
 あ、こりゃ母、いつもの話し方だ…。
 「救急隊員さん、いつもこんな話し方です!なんか半分歪んだようなしゃべり方してませんか?脳梗塞心配なので!」
 「見られませんですね、そうですか安心しました」

 看護師さんにポカリを買ってきてもらって、2時間ほど寝たところでどうやら自分の症状も落ち着いたようだ。カミさん退院から目が離せないわ慣れない家事はしなきゃいけないわ色々悩むわ。まあいい休みになったのだろう。
 カミさんはというと想像通り一週間取れなかった栄養やビタミンやらを点滴で補給してもらっていた。さすがの処置で納得。
 妹からはメールが帰ってきて義姉の手術は無事終了、母は軽い脱水症状とひざをすりむいただけ、ほか異常なしという結果もらって家で孫に見守られ寝ているとのこと。

 さてカミさんとの病院からの帰宅だが、精算終了2分後にバス→電車→バスとタイミングよく家近くまでつながった。奇跡的。必死に家まで帰り着いた1日。何か手を間違えたら大事になっていた。
 晩飯の買出しに行き、カミさんのリクエストの晩飯ジャストのものが見つかり小躍りで帰宅。二人で食べた。

 しょぼい映画のシナリオのように前半だけがクライマックスの尻すぼみになってしまった1日だった。何かひとつが狂ったら大事になっていた一日ではあったがそんな大作映画みたいな出来事に巻き込まれるのはごめんだ。それでよかったのだと一人納得することにした。