JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

たまには今週のお題とやらに答えてみよう

今週のお題「結婚を決めた理由」

 長編小説書けますよ?
 ビックリするくらい奇跡の上に成り立ってますよ?
 嘘っぽいくらい馬鹿げてますよ?
 いいですか?

 まず出会いからです。
 ぼくは25年ほど前、地元KBCラジオの投稿をやっておりました。
 葉書職人ならぬ「テープ職人」。
 自作曲や自作コント、替え歌をカセットに吹き込み投稿して、ランキングをする無茶なコーナーがありまして。
 そこそこの常連という地位を得た自分は調子に乗ってリスナーサークルを作りました。
 ラジオの公録イベントが開かれると聞いては出向き、を繰り返しているうちに、今のカミさんに一目ぼれをしました。貝塚公園でした。
 でも自分は恋愛沙汰なんて考えもしませんでした。自分嫌いであったし、肝心の「職人活動」は振るわない有様。
 ラジオ運営側からすれば迷惑な常連客と化していたことに気付いてなかったのですね。

 さて、その事を直接苦言として呈されるという出来事がありました。
 大宰府政庁跡でのイベントの帰りでした。とぼとぼと宛てもなく歩き回り、護岸工事をやっていた御笠川の堤防に寝っころがって
 「あー、よく考えたら俺、駄目駄目じゃん!」
 横から、心配してついてきた友人が大丈夫だよ、何とかだよって言い出したんですが。彼の口から突然思わぬ言葉が飛び出しました。

 「ジマさん、恋をしましょうよ!!」
 なななななななな何を言っているんだ。うん、でも確かにそれは面白いかもしれないな。
 「うん、確かに気になってる子がいる」
 「それですよ!行きましょうよ!!」

 二日後に彼女に電話をしました。
 「…好きです、付き合ってください」
 ストレートに告白しました。

 彼女は最初罰ゲームの一種か何かと思ってたそうですが、半年間くらい電話したり、土日に出かけたり、ゲームの話をしたりしているうちに物凄く気が合うことがわかってきだしました。
 彼女に貸したファイナルファンタジー5のデータ、返ってきたとき主人公が「ヒデユキ」って俺の名前で入ってた。
 あの時の瞬間を覚えています。これが恋ってやつか!!恋、怖エ!!ぞーっとしたんです。引き返せないとこに来たって恐怖。

***

 んまー、それから幾つもの出来事がありました。
 二人とも無事に社会不適合者でした。
 ともに引きこもった時期もあります。
 しかしまんまとお付き合いは続いてしまい、いつの間にか太宰府市で一緒に遺跡発掘のアルバイトをしていました。
 二人で測量した図面のいくつかが、太宰府市の図書館で閲覧できます。

 小泉改革で派遣法が改正され、偶々CAD使いを大手企業が登用していた時代にぼくは、まんまと小金を溜めることに成功しました。
 話に聞くと残業をしまくったせいで某大手派遣会社の九州記録を更新したらしいのです。
 もう、このタイミングしかない。付き合いも10年以上たった。先行きなんて知らないけど、これだけ好き合えるんだったらなんとかうまくいくだろう。

 秋芳洞に行った帰り、プロポーズをしました。

 まず同棲から始めてみるか。
 アパート探しをして、この物件面白いんですけどね、と行った先。
 わ、二人で遺跡掘ったとこのマンションがぽっかり見えるじゃない。
 結局そこに決めて。

 …で、直後にぼく仕事失ったり体調不良になったりするんですけど、カミさんはそんなこと何も考えず先行きもわからないのに、「あなたー!今日が大安吉日よー!フンガー!」って感じで(※個人の感想です)市役所に行って婚姻届を提出しました。

***

 んで今もその太宰府のアパートに住んでるわけなんです。
 川沿いなんです。

 …怖い事言っていいでしょうか?
 冒頭に書いた「恋をしましょうよ!」の場所のすぐ近くだったのですよ!!
 住んで2年くらいして気付きました。
 も一つ、怖いことなんですけど、その恋をしましょうよ!と行った男は今も付き合いがある…というか、我がバンド宇宙サービスのてっちゃんその人なのです。

 結婚を決めた理由、か。
 「互いに好きで、飽きないから」
 それ以外何もないんですけど、やっぱりこれだけ偶然が重なると「見えざる手による必然」もあったのかなあとか思っていたりします。ここまでの大掛かりな偶然じゃないにせよ、恋愛から結婚に至るためにはそれが必要なのかもね。

 まごう事なき実話にございますが、生憎てっちゃんは河原に行ったことまでしか覚えてないそうです(笑)。