JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

宇宙サービス音源「業務用」曲紹介その3「TVO」

宇宙サービス音源「業務用」
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(※初演)

■3.TVO

 ギターのサンプリングCDがありまして、そいつをいじっていたらあれ、これ福岡の秘宝的フォーキーロックバンド・ポカムスの「鯖のパラボラ」っぽいな。じゃ、あの曲をまんま打ち込もう、ってんで出来たループから発展させて、そこに歌メロを乗せて…という経路で完成させた曲。

 大宰府政庁跡という史跡にして実質でっかい公園になってる草っぱらで、MP3プレーヤーに完成したオケを入れてヘッドフォンで聴きながら歩き回って、手探りで歌メロ作るという実質自分でもめったにやらない手法でやったのをよく覚えているのですが、そのとき偶然ポカムスの藤田君がそこでギター抱えて練習をしてました。だからこの曲は半分ポカムスによって作られたといってもよいでしょう。藤田君はザ・ボットンズの「藤田のオッサンの歌」の実在モデルです。ご近所です。ザ・ボットンズ、存じ上げなくてギターウルフが好きな方がいらっしゃったら是非聴いて欲しいバンドです。

 歌詞は当時宮崎の口蹄疫騒動から鳩山さん辞任の辺りの、テレビとネットの情報のぶれ方が物凄くて何が本当か訳がわからない時勢を歌にしてみた、そんな感じですか。その後震災を経て、この曲の歌詞はかなり凶度を増した気がします。
 歌詞については政治的信条はできるだけ中立な立場になるよう含めるように努めています。陰謀論を信じ込んだりしたり、政治的発言をあるスタンスでしたり、まあ日記レベルではそういう言葉を記していますが、やっぱ作品となりますとですね。その辺は、まだ今作辺りは少し偏ってるかなあと、そしてのちに「ランゲルハンス島は我が領土」で完成をみた感が。

 収録バージョンはたまきお先生の完全リミックスです。っていうかリブート。
 一時期たまきお先生は絶不調に陥っていたのですがある日突然このオケを共同作業用のドロップボックス(共有サーバーみたいなものですね)に投げ込んで
 「これで次回ライブやろう」
 って感じでぶっこんできました。
 気に入っていたベースのフレーズとか自分の作ってたバージョンにはあったんですが、あまりにかっこよくて衝撃受けたんでもうそのままです。彼に任せっぱなしです。
 この音源作った動機、実は「このオケで絶対CD作ろう!!」って思ったとこから始まりました。だからとても気に入っています。

 タイトルは御茶漬海苔のカルト漫画「TVO」から取りました。ヤングサンデーの創刊時のラインナップに入ってたサイコホラー短編オムニバス形式漫画。高校のときこの漫画の話で意気投合した一年上の夏井先輩は、今東京で演出家として名を馳せておられます。あの人との出会いで人生狂ったな…間違いなく。

「TVO」
作詞 ニシジマオ 作曲 ニシジマオ

 うちの壊れたテレビ毒の言葉を吐き出したままで止まらない
 俺の意識の海の表面を覆いつくしたままで溢れる 漂う

 テレビつけたの誰?
 早くテレビを消さなくちゃ

 うちのテレビからそんな毒の言葉が出ているなんてないさ
 俺の可愛いテレビちゃんからそんな毒の言葉が出ているなんて おお杞憂さ おお杞憂さ

 テレビつけたの誰?
 早くテレビを消さなくちゃ

 笑っているのは誰?
 唸っているのは誰?
 叫んでいるのは誰?
 覗いているのは誰?
 穿っているのは誰?
 呪っているのは誰?
 いったいお前は誰?
 俺の顔した誰?