JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

モンド君成長記

 福岡バンドマン界ではおなじみのモンド君が今日中学の入学式を迎えました。

 (描いてもらったうちの夫婦の絵)

 ボギー君と知り合ったのは2005年11月のラウンジサウンズのオファー。その時モンちゃんはまだ立ち上がってすぐの子で、確かその年末の40人弾き語りのときに行くと、ステージに近づいたり登ろうとしたりしてた記憶。
 丁度今の今ちゃん(モンちゃんの妹)くらいの歳だ。
 「おいおい、実子をライブ会場に連れてくるのかよ、公私混同だな」
 と興ざめる客も居るかもしれないが、ボギくんの子育てはこれが功を奏したと思う。
 お父さんの仕事を間近で見ることにずーっと恵まれたのだ。しかも、お父さんの仕事自体が手探りだった。当時はアルバイトの掛け持ちの傍ら「ラウンジサウンズ」というライブハウスの平日ブッキングという仕事をこなしていたし、今はミュージシャン活動とモンちゃんのマネジメント仕事を法人化してそれを本業にてしまったが、ラウンジサウンズも11年今でも続けているから畏れ入る。

 父親から
 「やりたい事をやるのは苦しいことだらけ」
 をずっと横で体感したモンド君は色々あって似顔絵屋を始めた。
 やり始めるまでに至った色々な経緯を知っているがそれは本人が、大きくなってから語る話。ただ決して親の強制なんかじゃないことは知っている。
 彼の夢は本来は「一級建築士」だそうなので応援したいと思う。

 ワタクシは一応教育系の大学卒なので、一通り子育てについては学ぶ機会があった。美術系のゼミが通う目的になったので、もう教育心理学やらの知識の大半の記憶はおぼろげだけど。
 ボギくんはそんな自分から見て、こう言っては失礼かもしれないけれど、予想外に本当に理に適ったよい教育をしている。

 彼の家に行くといわゆる「流行のゲーム」「流行のおもちゃ」が見当たらなかった。勿論貧乏だったというのはしょうがないかもしれない。
 今の子育て環境の中で、いわゆる「スクールカースト問題」は避けられないのだけれど、今の小中学生にとって子供用のおもちゃというのは「結局は親のカネ」に重きを置いたものが主流で
 「持たざる親を持つものはスクールカーストでも下位、という新自由主義の現実」
 という恐ろしい状況になってるのは想像に難くない。
 でも彼の家で子供と遊んだとき、決して安くはなさそうなおもちゃだけが存在した。高級なカルタやら、手作りで作る紙相撲セットやらが並んでいた。ゲーム機は禁止だという。ボギくんは遊具にしっかりこだわりを見せていた。
 貧しても鈍していないなあ、と感じた。こういうことは今時、ハイソな親がやることだ。
 今の教育現場におけるスクールカースト問題って、今親世代が新自由主義思想にどっぷりだから地獄なんだろうなあと感じる。モンちゃんは有名人になっちゃって、きっと今はその蟲毒のような輪から外れてわりと自由な位置にいると思うのだけれど、それまで色々学校内では気苦労はあっただろう。

 父親含め、周りの俺たちのようなダメな大人のバンドマンたちに見守られてすくすく成長したモンドくんだがこれからさらにどう成長するのだろう?本人は今の「天才絵描き」の収入を将来の学費に宛てる気満々らしい。自由な建築士を目指して邁進してほしいので中学では数学と理科の勉強をみっちりやろう。ジマオおじさんからしてあげられるのはいつかCADの教本をプレゼントするくらいかな。

(※2014年サンセットライブにて、出番前のジマオさんを攻撃するモンちゃん)