JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

第56話「あんたこのブリーフケースをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、とりあえずポテトとぴっこりする

脚本:ドブ沢ニコルソン
監督:大熊ニコルソン

あらすじ

 定期考査試験で午前中で学校が終わり、帰りに新大久保で適当な韓国スイーツを物色する主水。裏路地に入ったところで旅芸人風の夫婦に付け狙われていることに気付き、振り向いた先には青井剣之介と名乗る男(中村敦夫)、そしてその妻レディー・ガガ中尾ミエ)が立っていた。「中村主水という同心を探している、あんた知らないか」という問いかけに薄ら笑いを浮かべながら「知らねえな」と否定し、即座に斬りかかって来た剣之介を主水迷わず一閃。女房ともども真っ二つ。峰討ちにするつもりが、ついうっかり。その頃、嘉吉はわくわく地底帝国の女王ヒミコ(大木凡人)殺しの仕事をうっかり請けており、おりしもやいとやは冬寒いの嫌い、とばかりにタイの方に昆虫採集旅行中。仕業人の助っ人の伝手を必死に探していたところであった事が脳裏に浮かんだ主水は頭を抱え…そこで主水が「おれは完全に重大な間違いをおかしたのではないか」と気付いてしまう。

藤田まこと氏曰く「だってミエが柔道着みたいなの着て襲い掛かってきたらそりゃ斬るだろ!ギャグシーンと思ったもん!!」

解説

 ドブ沢ニコルソンによる難関突破チキンレースが完全に裏目に出た失敗作。大出俊氏欠席を見越した助っ人加入のつもりがうっかり筆が滑って邂逅のシーンで殺害。「なにか重要な取っ掛かりになるような気がするんだけど、ええい、斬っちゃえー」という主水の台詞がものすごく印象的。予想外の事態に素で驚く中村敦夫中尾ミエがさらに印象的。そしてスタッフの声「本当にこれいいんですか?」が全てを物語っている。結局明らかに吹き替えと分かる身長4メートルのやいとやを登場させ、なんとか難関突破した。

出演シーンでは裏声で「ハロー!ぼくやいとやだよ!」と台詞を発し続け、3割くらいの視聴者が吹き替えに気付かなかったという。なお声の主は松野ニコルソンとのこと。

次回予告

みみずだって、おけらだって、あめんぼだってみんな生きている。ラモスだって、ロメロだって、ガルベスだってみんなみんな生きているんだ、友達なんだ。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第55話「あんたこのミドレンジャーをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、ホコ天を懐かしむ

脚本:安倍ニコルソン
監督:渡邊ニコルソン

あらすじ

 あの旅籠の女将の紹介でやいとやは占い師・蝶々(泉ピン子)のもとに行き、次に建てる自社ビル「フレグランス又右ヱ門」の方位と間取りを相談、やがて二人は意気投合し火遊びのような一夜を共にする。蝶々の評判は「天保の大飢饉発生」「トランプ政権成立」「ドン・キラー・キラーの登場」などをことごとく予言的中させるなどして鰻登りとなっていたがその裏には実は重大な秘密があり、彼女は未来からやってきた猫型ロボ衛門(古川ロック)なる奇怪な自称役立ちロボットに押しかけられており、さらにロボ衛門に執拗に言い寄られた蝶々は内縁の関係ともなっていたのであった。蝶々が枕を共にするやいとやに全てを話し終えたその時、押入れのふすま戸がゆっくりと開き、憤怒の表情のロボ衛門がよくわからない機械を持ってこちらに向かってくるのが見え、そしてやいとやは…しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

ロボ衛門(古川ロック)の最期の台詞「俺はロボなんかじゃねえ…くだらない魚屋だ!!」は、涙なくして見られない名シーンを彩った。

解説

 55~56話はやいとや演じる大出俊氏が間違えてクランクアップしかけ2話ほど登場できず、今作では苦肉の策でブタに変身させてしのいでいる。赤い光が明滅する中ただ現場を走り回るだけの殺しを披露し、ラストシーンでは中村家の食卓にとんかつとして上った。蝶々とロボ衛門の倒錯した愛は安倍ニコルソンらしくねちっこく描かれ、機械姦なる新しい性癖ジャンルを一つ創設するに至っている。なおこの回で足元にわらわらとうごめく謎の怪生物については不明で、今だにファンの間で活発な議論がなされている。

番組後半になると明らかに演者もカメラも怖がっていて、ガチで足元に何かいたようであるが、詳細は一切不明。

次回予告

気が付けば、忘れられないあの人に出会うのか。またしても巡り合う、宿命の絆。そして再び、あの時と同じ過ちを繰り返す、まるで導かれているように。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第54話「あんたこのラ行変格活用をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、レティクル座行超特急に乗る

脚本:保利ニコルソン
監督:長嶋ニコルソン

あらすじ

 「…なんかレギュラー陣男しかいないんじゃないですか?嫌だねェ~」というやいとやの一言から、女子限定の緊急オーディションを開くことになった仕業人たち。殺し屋志望、探索志望ともに仕業人だけに渋めの雇用条件と、この江戸時代の考証を軽く無視した雇用機会均等法の波が障害となるも、英語しか話せないが大学を設立して悪人を葬るおうめ(津田梅子)、鎌倉武将をけしかけるダイナミックな殺しを展開する政子(北条政子)、Youtube10万人フォロワーのオニナッツ(鬼塚夏美)、なんだか馬の耳が生えてるタイプの女仕業人・ゴールドシップ上田瞳)などの魅力的な面子が最終選考へと進む。その時、富士山の火口から怪獣奉行(今井健二)が出現し江戸は火の海になり、実戦で選考する羽目に陥る仕業人たち。果たして誰がレギュラーの座を射止めるのか…?しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

オーディションでは歌(中尾ミエの歌ういつものアレ)、ダンスなどの審査が行われたが、その後の作風への影響は全くと言っていいほどなかった。

解説

 新必殺仕業人開始1年以上経過して「なんかこのチーム、男臭くね?」と仲川ニコルソンが気付いたことにより、探索メンバーに女性レギュラーをようやく増員決定。結局資金力と政治力を駆使した探索能力を買われたあの旅籠の女将(アパホテルの社長)に決定した。また今作は自然薯をいかに折らないで掘るかを丹念に追った素晴らしいストーリーとなっており、ラストで掘りあがった2メートル近い立派な自然薯を車のトランクに入らないからとバキバキと折っているのは監督・長嶋ニコルソンである。

唖然とする農家の方を尻目に「ん~、だって入らないでしょ、トランク」と屈託のない笑顔で話す長嶋ニコルソンは、間違いなく大物でしたねとは山内ニコルソン談。

次回予告

思えば、あんなことが出来たらと思うことがあった。幾つもの夜を思い出し、瞼に浮かんだあんな夢、あんな風景、あんな思い出。みんなみんなみんな全て叶うのか、不可思議な懐。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第53話「あんたこの天ぷらのひらおをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、制服姿に萌える

脚本:じまニコルソン
監督:松野ニコルソン

あらすじ

 女子校も冬休みに入り、正月の帰省で宇宙から帰ってきたせん・りつとともに新幹線で九州旅行と洒落込む主水。しかしそのころ黒田藩は城代家老の超濃厚コッテリ化学調味料味ラーメン信奉派・田中兼房(ヤバイ仮面)と、同じく城代家老のやたら食いにくいデカいゴボ天搭載軟めんうどん信奉派・杉山参究(修羅王丸)の二人の権力争いで内戦状態に陥っていた。一方、やいと修行の一環で偶々博多を訪れていたやいとやは、同業のブル左衛門(パラシュート部隊斎藤)に勧められためんちゃんこの味に感動し、その妻お舞(大田こぞう)とともに第三の麺勢力として名乗りを上げるべく尽力するが、田中、杉山の策謀により金のもち吉カンカン転売事件の濡れ衣を着せられブル左衛門は斬首、人気番組「福岡くん」は終了…主水とやいとやは、お舞の恨みを晴らすべく立ち上がったのであった。しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

「必殺忠臣蔵のアレ、やたらツイッターでバズってたからああいうのやっときゃいいと思ったんだよね…」とは、山内ニコルソン談。

解説

 新必殺仕業人5クール目突入、正月一発目放送ということで出張ロケ回にして、福岡の苛烈なうどん推しによる民衆弾圧の史実を描いた意欲作。近年クオリティの質向上目覚ましい福岡メディアの上澄みを取ったキャスティングが光る。仕業人マシン6号で援軍に駆け付けた嘉吉と捨三と、巨大シャベリーマン(中島浩二)の空中戦はもはや時代劇とは言えず、家で視聴していた山内ニコルソンの母はトイレに中座したまま2時間出て来なかったという。

仕業人マシン6号との巨大ロボ対決シーンは多くの心ない殺ヲタにより「ブラウン館の怪物たち」以来のがっかり必殺と揶揄されている。

次回予告

思い起こせば、なぜこうなってしまったのですか。路傍の花でもいい、なんでもいい。とにかく華やかさが足りないことに気付いた男たちの慟哭、そして、選ばれたものとは。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第52話「あんたこのワゲスパックをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、パックスの仕業に出くわす

脚本:野上ニコルソン
監督:工藤ニコルソン

あらすじ

 主水のクラスメート、お咲(ニコラ・テスラ)が部活の大会に出かけたまま帰ってこない。高校卒業したらお咲と祝言を挙げる約束をしているという大工の留蔵(U字工事益子)の依頼で主水がその行方を追うと、彼女の所属している部活は「必殺スペシャルでよく出て来る時代考証を無視してレオタード姿のくのいち部」。年末に行われる今度の全国大会は、鳥居耀蔵岸田森)の命に従い次期老中間違いなしと評判の開国派・河野ブロック守太郎左衛門(アセチレン・ランプ)を、隠密集団煉獄組と連携して江戸城内で密かに抹殺する課題が課せられていた。しかし公務をこなしながら5分に一度のスピードでSNSに近況を報告する河野に一切の隙は無く、どの高校も全く手が出せずにいた。そして痺れを切らし、ロケットパンチで大規模爆破を試みる煉獄組の首領鉄眼(寺田農)。しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

くのいち部の部室風景。Bパートは全国大会のための合宿風景に割かれ、部員全員でタンクトップにグラサンの国粋主義シンガーに襲い掛かる演出は工藤ニコルソンによるもの。

解説

 年末特別回の趣で、映画版「必殺715!主水の実践ガーデニング」を彷彿とさせるスケールの大きいハードなストーリーとなっている。寺田農演じる必殺シリーズ通しての人気キャラ・鉄眼は、シリーズ4233作「必殺仕事人V破壊衝動編」レギュラー以来の出演となった。レオタード姿の時代考証と、隠しきれないほどの栃木訛りに翻弄される最期を迎えるお咲と留蔵の悲恋は涙なくしては見れない傑作。鳥居耀蔵を消し炭にし歴史を勝手に書き換えた嘉吉の怒りに任せての宇宙ビームは、残念ながらこの回限り。

お咲と留蔵のレモン牛乳をめぐる悲恋は涙なくしては見れないほどの切なさで、宇都宮の餃子消費量が2割ほど増加したほど。

次回予告

正月から、ロケの箸上げに命を懸ける者たち。ある者は紅しょうがとねぎをのせ、ある者は生卵に裏切られ、そしてうっかりアカウントを凍結させて、炎上の憂き目に。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第51話「あんたこの火山探検家をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、しぶガキ隊に入隊する

脚本:國弘ニコルソン
監督:長嶋ニコルソン

あらすじ

 風俗取締りを受け食い詰めた噺家・好楽(ジョニー・ポセイドン)は、手妻使い伝次郎(カベポスター永見)の小屋で講釈と前説、雑用を務め糊口をしのいでいた。伝次郎の小屋は科学をわかりやすく手妻で表現するアカデミックさで「江戸のお子様たちの教育のためにも存続」と老中水野忠邦(大出俊)にもお墨付きを頂き、なんとか取り締まりの手を免れていた。一方お上の手入れを受け演目の変更を言い渡された同業の大川曇吞斎(チャーリーシーン)は、好楽の妻おりく(大関優子)を誘拐し、好楽を通じて伝次郎の種を盗もうとしていた。しかし好楽が見た伝次郎の素顔は急進的開国思想の持ち主であり、この手妻小屋の本当の目的は巨大空気砲による江戸クーデター計画の演習であったことが判明。「大川さん、好楽君、おりくさん。さあ私と手を握って」ビリビリビリ「ギャァーッ!」しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

江戸の風俗取り締まりにより、多くの芸人たちが奢侈禁止令の煽りをうけた史実を絡めた意欲作と称して、でんじろう先生をネタにした安易な現代パロディである。

解説

 水野忠邦役の演者が雑なオタク煽りをしてネット炎上し出演キャンセルが発生、スタジオ内で「この中で水野忠邦を演じた方はいませんか?」とアナウンスしたところ大出氏が挙手、「仕事人vsオール江戸警察」以来4970年ぶりの老中役と相成った。カベポスター永見演じる伝次郎は新仕業人でも屈指のセンス眼鏡系悪役として印象に残る活躍。今作のやいとやの出陣「ロンドン橋の主桁せん断ひび割れ占い」の撮影後危険判定されたロンドン橋が封鎖され、その三日後に見事に崩落した。

やいとやのシャウト「主桁ひびわれ斜め方向に多数…なんだとォ!?」に、日本中のコンクリート診断士が悲鳴を上げたという。

次回予告

映画版のあの音楽が鳴るたびに視聴者は思った。またインチキ臭いレオタード着たくのいちが出てきて、わちゃわちゃした戦闘を繰り広げる、と。次週新必殺仕業人、ご期待ください。

第50話「あんたこの赤いたぬきをどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、子供みたいに医者を怖がる


脚本:猪又ニコルソン
監督:工藤ニコルソン

あらすじ

 やいとやは薬種問屋の鰯屋禄兵衛(小日向文世)の座敷に同席し、そこで稀にみる歌唱力で評判の亜土太夫(あのちゃん)の歌声に魅了される。タニマチとなっている鰯屋はすっかり彼女に惚れ込んでおり、かのスーパースター・出戻り銀次越えを意気込んでいた。しかし亜土太夫の誕生日に、彼女自身が配信した「Yes!西陽のあたるプリキュア」主題歌を歌ってみた動画が大きなお兄ちゃんたちの癇に障ったのかまさかの大炎上。彼女はアカウントを閉鎖後人知れず姿を消し、鰯屋にまで誹謗中傷が投げ込まれる始末。意気消沈した彼に仕事を依頼されたやいとやは、炎上の始まりを探すべく嘉吉の指導の下場末の匿名掲示板へと潜り込む。亜土スレに潜伏すること一週間、フォロワー60人のしょうもないネット弁慶アカウントを突き止めた仕業人たちは投稿内容から住所特定を始め…しかし彼はそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

亜土太夫(あのちゃん)が披露した「ほぐした赤ラーク」(作詞作曲:笑い飯西田)はスマッシュヒットとなり、この年の紅白の紅組トップバッターを飾った。

解説

 稀に見る存在感と活躍のなさで主水の家の庭の地蔵と化していた間借り人・喜勢の退場回。退場にあたって主水が久しぶりに水をかけるとぐんぐん成長し、そのまま1kgあたり240円で引き取ってもらえたという。やいとやの的のぴるす(本間新一)殺しシーンでは「額に針を刺されたあと、震える演技」を完全に勘違いした結果、震度3くらいの人工地震が発生しネットの陰謀論者をざわつかせた。なお今回も工藤ニコルソンの指示で悪役はマッチョで国粋主義のタンクトップグラサンで統一されている。

バイオマンを彷彿とさせる女優失踪のため地蔵を置いた説」「48話ではひとりでに動いているのが見える」などの都市伝説が飛び交っているが真偽は一切不明。

次回予告

何も知らずに求めたもの。そして気が付けば、取り返しのつかないものを見つけた愚かさ。空気砲が宙に舞い、静電気の火花が今、夜の闇に走る。次週新必殺仕業人、ご期待ください。