JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

アルムのもみの木

 嫁と散歩がてら観世音寺行った。
 アパートから四王寺山方面を見ると、この観世音寺の宝蔵院付近に木が聳え立ってるのが見える。
 まるで「アルプスの少女ハイジ」の歌詞に出てくる「アルムのもみの木」風?アニメチックなとんがり、こんもりした大木なのだ。
 で、引っ越したすぐ、一度地上からアプローチしたんだが、どの木か分からず。それはおかしな話で。なんとなくそのときに変な納得もした記憶もあったんだけど。

 嫁が急に行きたがっていて、自分も一緒に行くことにした。行ってみたら、図の通り。

 一本の大きな木なんてなくて、4本くらいが視線上に重なってるだけだった。流石に4本分の枝葉が重なると荘厳美麗に見えるのだけれど、下からアプローチすると、4本とも大樹ではあるが、その枝葉がまばらに見えて、荘厳さはあまり感じられない。あー。そうだったわい。あの時もそれに気がついてガッカリしたんだ。

 一本ずつ、その幹を見る。びっしりと苔と地衣。流石に秋で虫は少ないが、それでもツノゼミキセルガイやらがいた。大昔どこかの八幡宮で見た、真夏の雨上がりのイチョウの大木を思い出した。その幹に集う、たくさんの虫達、植物達の群れ。その生命を育む荘厳さ。
 良いものを見た。ガッカリするなんて失敬な真似をした。大変申し訳ない。非礼を詫びる。

 嫁は興味がもう他に移ったのか、子猫を追いかけるのに夢中だった。
 昨日火の馬の練習中、南さんがうちの嫁を評して言った言葉「猫みたいな人よね」を思い出した。もう、そっちに興味が移ってた。本当に猫みたいにくるくる。