死と再生
真剣に
どんこさんのチョコレート
このブログを終わらせようかなあと思っていた。いや今も考え中。
理由から先に書くと。
コンテンツとしてこのブログが、終末へと向かったあと再生するさまをきちっと書ききっているから。
カミさんのチョコレートは本当に凄かった。
その作品群を生で見ることが出来たのはほぼ自分だけであった。そして彼女の死によって新作を見ることは叶わなくなった。チョコ道具も、遺品整理と称して捨ててしまえばよかった。
それはあたかも、二人きりの我が家夫婦の生活そのもの。二人が交わした会話のルール。生き方のルール。全部忘れてしまえば気楽だよって友人から貰ったアドバイス。セラピストも同じことを言っていた。
自分はそれをよしと出来なかった。馬鹿だからしょうがない。
アホである。こんな事をして嫁が蘇るなら、とかいう気分ではなくて正直
「いや、絵描きの血が騒いだのよ!!チョコ道具見て!!」
のほうがかなりの動機なんだけど。それにそもそもカミさんの最期のほうの闘病は辛く、彼女がもう苦しむことのないようにという気持ちのほうが強い。再会は死んだあとや夢の中だけで十分だ。
でも、捨ててしまったら、忘れてしまったら、それでおしまいなのだ。
誰の記憶にも残らない。
彼女のちっぽけな爪あとだけは、残してあげたかったのだ。
いや、自分にとってはバカでっかい爪あとを残して遠くに行った彼女。
実は飄々とブログを更新しているように見えるのだけど、実は何度か水面下でバズを起こしていたりする。しかし自分が作ったものでのバズは正直
「あれ、なんか違うんじゃないの?」
って気持ちになった。
まあチョコレート作りの趣味は続けたいのだが、発表の場をそこで続けるかどうかはどうなのか。今の状況で大団円ではないのか。それともこっから先の何かよくわからない高みを目指すべきなのか。
自分は高いところを見るのが苦手だ。親から
「お前は本当に商才がないねえ」
と真顔で言われたが、本当にそういうもので「高みを目指す方向性」はたぶんきっとうまくいかないだろう。
ただ、今このカミさんのチョコのブログの今の状況は、これはなかなか見られるものじゃないと思う。自分で書いておいて。さんざ作っておいて。かみさんも自分も、失敗作であってもちゃんとブログに載せ続けたのは結構凄いやなーと。
てなわけで最終回っぽいチョコができたので今その状況で更新を止めています。もし、更新がこれからなかったら、きっとあれで終わりでよいのかなと。今クソめんどい新作作ってるけどねー。あー、やりたくねーなー!!(※嫁が生前言ってた口癖でもあるのだ)