29歳の誕生日
ラウンジサウンズ10周年祭来ていただいた方どうもありがとうございました。
宇宙サービスのセットリストは超初期の「イタイ」めのナンバーから後半のキラーチューンまでをヒストリー的に並べてみたので大変お客さまの反応が楽しかったですよ。「男気」やらなきゃよかったかな。
ボギ君がこのイベントを始めたとき、俺は29でダメな大人だったと書いていました。
29歳の誕生日のことを思い出しました。
就職に失敗して、フリーターやりながら半分堅気のサラリーマンの相方と細々とライブしてるひきこもりでした。部屋はゴミ屋敷状態。仕事のスキルもせいぜいCADができるくらいでなーんもなし。
恨み言でもなんでもないのですが、あたしゃ世間知らずであったのは両親が
「まあ、大学ってアレだろ、一種の職業訓練校じゃね?」
って認識であったことです。これはマジな話。だから大学出ても健康保険や年金の仕組みなんかを知らない、ましてまともに働こうとしない大卒の人間をどう扱っていいかわからなかったのだと思うわけですよ。ネグレクト状態でした。
「もっとダメな大人」だったわけです。
ただ細々とライブをしているうちに、細々とバイトをしているうちに、スキルというのは溜まっていきます。完全な引きこもりニートというわけではなかったのです。故にオファーというのはやってくるわけです。どちらにもです。均等にです。
29歳の誕生日に。
1.CADを使った製図会社の正社員
2.北九州演劇祭にも出る劇団公演の役者
当時今の嫁は彼女として居ましたし、順当に考えれば1番でした。一週間悩みました。悩んだ後、この仕事をして結婚したらどうなるかを想像したのです。
つまんないやつ、って表情をしながら子供を抱えてけだるい視線をこっちに向ける、嫁の姿が映りました。
そして果てしなく悩みながら、一週間後に2を選びました。社長に土下座をしました。今でも覚えています。友人全員がこの決断を「アホか!!」と蔑んだのはよく覚えています。宇宙サービスの前身バンドの喧嘩別れの決定的原因にもなりました。
(その後の公演の写真、真ん中は猛者真澄、右は菊澤将憲。みんな現役!!)
きっと役者を蹴っていれば徹底的に歌舞音曲の類を蔑みながら、仕事一辺倒のくだらないヤツになっていただろうなあと。年齢から考えて、あそこから技術者に転換するために研鑽練磨していただろう。家庭も顧みず。でも、文系出身という壁に当たってどこかで躓いて、ひねくれてやさぐれて…
(追記)http://www6.atpages.jp/jimadon/nikki/2001_5nikki.html
この頃の日記が残ってました。文体若い!古い!
うちのオヤジが、嫁に結婚前にこう言いました。
「くだらない男やけどよろしく頼む」
そう、どっちに転んでもくだらないやつになってた。だったら、人を楽しませるくだらないやつのほうがステキに決まってんじゃん。
でも実は、これは嫁にも黙っていたのですが自分は2を選んだとき、二度と生きて帰れない宇宙船に乗り込むような、悲壮な覚悟がありました。
ライブ後、打ち上げを乾杯と少々の会話で引き揚げ、家に帰り着いたらカミさんが普通に起きてました。パソコンを普通に立ち上げて、ネットサーフィンしてたらこんな記事にぶち当たりました。
死ぬとわかっていながら宇宙に飛んだ、旧ソ宇宙飛行士コマロフの悲劇。
http://www.gizmodo.jp/2011/03/post_8720.html
いま自分がいるのは着地点じゃない。
そもそも人生の着地点ってどこだ?明るい老後生活ってやつか?
このコマロフの悲劇を下敷きにしたであろうシナリオがあるゲームに登場します。そう、「クドわふたー」です。こちらではパラシュートの欠陥ではなく別の問題で帰還が困難になる話。
今月は本当に人生最大のピンチでした。ひょっとしたら餓死してたかも、ってくらい。
沢山の人々による協力と、差し入れ、仕事提供など、様々な「赤い光の明滅」(※「クドわふたー」やった人ならニヤリとする表現)を受け取って、ライブで無事着地いたしました。
共演したイフマサカさんのツイートが素晴らしかった。
https://twitter.com/ifMASACA/status/604560106269741056?lang=ja
今回のライブ、PCノイズが音出せなかったから(PAさんには黙ってたけど実はいつも使ってる音色自体を忘れてきてました・苦笑)本当にカラオケ芸になっていてなんじゃこりゃ、でしたのう。
でも、ラウンジサウンズはこういうやつでも出れる!俺でも壇上に立てる!とお客様をそういう気にさせられる存在ってのは必要です。ぼくらが10年、その導きになっていたとしたら幸いです。
とりあえず、無芸の割りに出たがりのサラリーマン技術者が生まれなかったことに乾杯です!多分出たがり欲求は2chあたりで発散とか、SNSでなんかやらかして炎上してたりして。
とりあえず29の俺よ、いい景色は見れてるよ。宇宙船の乗り心地はどんなに悪くても、地球は美しい!
ボギさんレポ
http://bogggey.blog.jp/archives/32097762.html
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で、そのイフマサカさんとまた対バンで(笑)ラウンジサウンズに出ます。
こっちはバス停トークです。芸です。新ネタをいくつか仕込みました。おたのしみにー。
http://bogggey.blog.jp/archives/32098776.html
6/25(木)「MUSK SOUNDS」@MUSK ※会場はMUSKです。
open19:00 start19:30
¥1500+1ドリンクオーダー
出演)
LAGARN
ヒゲLOOK
イフマサカ
ニシジマオ(宇宙サービス)
深居優治(広島)
司会とDJ)ボギー
● Vocal&GuitarのsyohとDJ&Guitarのsuzuki pigeonからなるエレクトロ・ロッキンデュオ、LAGARN。懐かしくも新しいメロディセンスでトロピカルというより泥ピカル・ロックな大牟田産ヒゲLOOK。ユーモア溢れる切り口のMCが味わい豊かな空間を創り出すイフマサカ。各地の変なバス停や異常な場所にあるバス停を探しては紹介するバス停のスペシャリスト、ニシジマオ(宇宙サービス)。そして、この人もの凄いよっ、シアトリカルなステージングとぶっとんだギター奏法、弾き語り界の劇団ひとり(?)広島から深居優治がくる!
11年目も付き合うよ!!
ところでWikipediaにさも真実然として記されているコマロフの悪態云々の話は、モジュール内の状況をシミュレートした場合到底ありえないとのことです。
コマロフさんがぼくに、そう言いたかったのかも知れません。
そしてお前のあのときの決断は間違いでもあり、間違ってないとも言えるんだと教えてくれているのやも!
Я уважаю большую Владимир Михайлович Комаров!