JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

宇宙サービス10周年(6)

 自分のいた劇団ギガの当時の主宰は菊澤将憲(現在はフリー、東京で活動中)。菊ちゃんは演劇活動の傍ら「アカシックレコード」の名前で天神照和のレギュラーをやっていました。
 菊ちゃんが入っていた水曜の照和レギュラーにはマルツカ道、聡文三なんて錚々たる名前が並んでおったものですが、自分が目をやっていなかったそのほかの曜日に入っていたのが奥村さんの兄弟、ボギーとオクムラユウスケ

 大耳に出入りしていた、イラストレーターの韮山マリイさんのうちに遊びに行ったときの話。
 「君、ボギーって知ってる?ヨコチンレーベルの」
 「いや、知らないっすね」
 「ハイコレとか知らないかな」
 「ああー、ハイコレ!」

 演劇活動中、フライヤーを何度か目にした記憶があるのです。
 そのときは大勢のバンドマンを呼んでシャッフルユニットを組む企画。次にキチガイ天下一武闘会決定戦。いずれにせよ、正気の沙汰じゃない企画。
 あのバンド、解散してなかったらこの人々のとこで遊びたかったなー、じたばた。みたいな思いが募っていたのは事実です。

 「ジマオくん、絶対ボギーは知り合いになったほうがいいよ!アイツは面白いよ!!」
 「名前覚えときます」
 普段こういう話の場合、やはり縁というのは残酷なものだと考えて生返事必至な状況だったのに。何か「ああ、きっと引き合うな」って確信を何故か持った記憶があるのですが、本当にそれから一ヶ月たたないうちに。
 「ヨコチンレーベルのボギーと申します。ラウンジサウンズというイベントを行っているのですが、11月29日のイベントに出演していただけないでしょうか?」
 本当にメールが来てしまった。

 流石に自分は焦りました。ライブハウスに本格的に出演するのいつ以来だろ?とか、あのオケでライブハウスで流して大丈夫だろうかとか。いろんな恐怖が駆け巡るなか、風原のほかに大耳で活躍してた松本Kちゃんに共演を打診。
 一度目のラウンジサウンズは共演も凄くて、聡文三さん率いるタージリン、今や「あたりまえ体操」の樋口兄弟の兄のほう率いる金的三番街、’N夙川ボーイズのシンノスケがいたビリビリBビリー。
 この日はKちゃんが脱いじゃったりして、結果的にフロアは大盛り上がりを見せて。興奮と熱狂のままデビュー戦を飾る事が出来ました。他のバンドも素晴らしい日で、こんなにいいライブに出演者として立ち会えるなんて、と打ち震えた記憶があります。
 やっぱり最高の出会いには同時に最高の出来事が起きるもんだな。今言葉を綴りながら、顔がにやけてしまっているのです。

 ボギーのイベントはとにかく面白かった。
 中央志向のない、自分のアーティスト性と嗜好を全面にくどい位に散りばめた演出。
 決してオタク的ではないが、オシャレなサブカルには絶対行かない絶妙のバランス。
 流石に今になって切り口はずいぶん変わった感があるけれど(昔のほうがやや中央に目を向けてた感がある)、劣化はしていないし、むしろ円熟したと考えていい。

 出させてもらうだけで精一杯、のうちに迎える一回目の絶頂期は次回にて。