JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

アメリカンジョーク

 アメリカンジョークに必須なもの、それは「ワイフ」だ。

 という憧れを、昔の友人といつも語り合っていたことがあった。
 アメリカ人に対して「ワイフ」を絡めた粋なジョークをかます機会にいつか出会いたいものだ。
 そんな事を思っていた時代が、ぼくにもありました。

 そう、「ありました」なのである。
 こないだその機会に恵まれたのである。

 時はこないだの「イチどキリオーケストラ」の日。
 飯食いついでにまんだらけに行った。すると、ツアーか何か出来たミュージシャン然とした外国人二人が、「けいおん!」のフィギュアをカートいっぱいに詰め、なお出物を物色していた。
 その二人に囲まれる形になったとき。

 「コトブキヤ 一ノ瀬ことみフィギュア 中古 3200円」
 クラナドの一ヒロイン、長髪天然ボケキャラ。人気は高い。

 彼女のシナリオの感動のエンディングを、ひょっとしたら知っていたのか。
 Youtubeで調べると、字幕翻訳された名シーン抜粋動画の多いこと多いこと。

 手に取った。
 何故か彼ら二人は俺のほうを見て、「買わないのか?」って顔をした。

 「I love Kotomi Ichinose, But,This is too expencive. mmm... My wife will angry...」
 二人の外国人は本当にお決まりの手に額を当てるポーズで
 「Oh...」「Wife! Oh My God...」
 俺は拍手を打ち
 「Ah,Japanese God!!...But my wife is strong...」
 棚に戻したあと、一礼をして二人の元を去った。
 3人とも一通りのやり取りに、「ブシドー」的オタク道の侘び寂びの空気を感じていた。

 でも、よく考えたら彼らは何人だったのだろうか。まあとにかくワイフジョークは通じたことからすれば、きっとアメリカ人だったのだろう。うん、アメリカ人だ。そして俺もついにアメリカンジョークの国際デビューを果たした。