JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

砂漠に吹く風

 ため息をついたら負けだ。

 今日は営業の電話待ちを、待てども待てども出ない結果を待つのみの身分で過ごす苦行の日。
 空振りだろう、来週駄目を押すか、仕方がないさ。

 こないだまでいた会社に、えげつないため息をはく男がいた。
 「うはぁ」
 この世の中にある自分のままにならないもの全てに、あてつけのように吐くそのため息はいつも俺の神経をすり減らし、やる気を萎えさせた。
 自分は砂漠にいるのだと思う。
 海外なんて行った事がないが、砂漠のなかで浴びるうんざりする熱風は、きっとアイツのため息のようなものなんだろう、何故かそう思う。

 冷たいそよ風は気温の変化の表れ。恵みの雨をもたらす。
 遺跡の現場で得た知識。
 砂漠で風を起こす、あの男はもういないのだ。
 まだ歩かなきゃいけない。
 熱風を起こすようなため息をついちゃいけない。

***

 この二日間は楽しかった日〜水曜日の反動をもろにかぶって、深海の底にいるような鬱状態に陥っていました。薬?効果なんてないくらい。いや、なくてもいいんだ。飲むけどさ。
 てっちゃんが面白い事を言っていた。
 「鬱っつーのはそういう言葉が出る前は『なんか調子わりーなー』で片付けられてた病気だったんだから。そんなもんで考えたら快方に向かうよ」
 西洋医学的に考えずに東洋医学的に考えればいい、って思考でもありな気もするし、とにかくこの波を乗り越えたい。

 とにかく、そよ風を待とう。
 俺は待つのはそんなに嫌いじゃない。