さほど美しくもない夕焼け
今日は会社。
朝から市役所に行き、高額医療控除申請。
いつもながら思うことだが、こうしたセイフティネットの手続きというのは、当事者が粛々と執り行わなきゃいけない。
悲嘆にくれて「それどころじゃない」心の人々は、こうした助けの手に気付かぬままになる。どうにかならないものだろうか。
嫁の父と会話。
話し相手としての嫁にそっくりで、また自分が失った父親の代わりでもあって。
話すだけで涙が止まらなかった。
昼は電話をかける。嫁にだ。
弱々しい声で出た。
僕らの幸せは刹那的過ぎた。
現世を世知辛く、行き詰るものにさせている流れを司る神がいるなら、僕らがこうやって幸せであるのはあってはいけないことだったのだろう。
その神をして、我々をこんな風な悲劇に突き落とすことでしか
嫁が手術から生還しました。
ひとまずの安心、そして応援してくれた皆様に感謝の意を。
本当にありがとう。
これから先は、大手術の後だけにまだまだ苦難が待ち受けていると思います。
嫁も覚悟をしていると思います。
こっから先に必要なのは免疫力。
一番効く薬は「笑い」なんだそうです。フフフ、ネットで調べたわい。
がんばろうぞ、笑って過ごそうぞ嫁。
昨日、病室からの去り際。
「いつもありがとう」
と言って、行ってらっしゃいのキスをしたときに病室の窓から見えた夕焼け。
さほど美しくもない、黒雲が幾重にもかかった夕焼けだったのに、なぜかものすごく迫る景色として記憶に残っている。
夕焼けの次の日は、晴れると決まっているんだ。