JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

ちょっと前に見た夢

 長い夢の中盤くらいだった。何の脈絡もなく、オヤジと二人旅になっていた。
 そこからしか記憶に残っていない。

 夢の中で「ああこれは夢だな、でなきゃオヤジがこうやって元気に動いているわけはない」と認識しながらも、関西であるらしいどこかのよくわからない国道を、原付で二人乗りで旅していた。
 オヤジが元気だった頃からそんな風であったけれども、取りとめもない話題がぎこちなく、朴訥に続いた。そうこうしているうちに神戸であるらしい商店街に着く。
 二人で飯屋を探す。やはり、互いの距離を掴みかねるような会話が続き、結局古ぼけた中華料理屋に入るか入らないか。会話のうちにぼんやりと機会を失ってしまったか。いつのまにか、景色は道中に戻ってしまった。

 オヤジと二人で、国道を西へ西へと向かった。
 海岸を右に控えた、四国の辺りであったか。さすが夢の世界だといろんなものを超越するなあ。そんな光景を横目にしながら二人、なんとなく言葉を交わしながら、何ひとつ印象に残る言葉を交わさないまま。西へと向かう。
 海へ海へと、西方へ。
 海を見ながら、目が覚めた。



 西へ西へと向かう、この前の旅の帰り道。
 そういえば呆れるほどに、するすると帰り着いたっけなあ。
 何かに導かれているようで、なぜか自分はそれを物悲しいと感じてしまった。
 パニックすら起こしそうになった。
 理由はそのときはわからなかった。

 今、その夢のことを思い出して、あのときの悲しい気持ちはこれだったのかもな、と感じるような。
 今日、そんな出来事があった。