JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

劇団GIGA公演「アダムとイブ」

 近くでやってたので、観て来ました。
 こういう芝居をやるには、演じる側に若さがいるなあという感じで。
 相変わらず状況説明の台詞の際なんか気持ち悪さを感じて、感情のこもったシーンでぐっと引き寄せるいつもの情念爆発型ギガでした。あそこで緩急が利かないところは自分もそうなんだよね。うーん。

 (※以下、終演後所要で開場を後にしたため、アフタートークを見ておりません。演出意図について、山田さんが話されてることと大きな相違があるかもしれませんことを先に記しておきます。)

 しかし、演出は面白かったですね。
 セット的には「父」「母」「兄」「弟」の文字が書かれた箱が置かれているだけ。床には下界を見下ろす「穴」。それだけで、トルコ風呂の3階に住む家族の部屋を表現している。
 家族というコミュニティーの嫌な部分のみをえぐり出すような空間。役者の動きを極力箱の中に封じ込め、最小限にしたことで、猥雑さと暑苦しさが伝わってくるようだった。


 ただなあ。
 やっぱ親父は年相応にその年の役者さんが良かったかねえ。
 五味君はやっぱ軽かったね。菊ちゃんと反対の配役で、なおかつ菊ちゃんレベルの芝居ができてりゃ万万歳だったが。いや、できそうだとは思わんでもないんだが・・・だめだったのか、それとも?
 あと、穴に落ちるシーンはもうちょっと工夫が欲しかったかなあ。


 まあ、個人的感情で書くとすると。
 ちょうど芝居をやっていた自分は、実家の冷暖房もない部屋でウツウツと、モンモンと世の中への接点を模索していた時期だったりしたので、なんだかそればっかし思い出してましたよ。

 みんながんばってるなあ、遠くなったなあと思うことと同時に「やっぱこういうのは俺、違ってたのかもね」とも思ったのは事実です。
 こういうアングラなのを有難がる人々の御神輿に乗っかかりそうで乗っからないのが昔のギガの魅力だったんだけど、今は乗っかっちゃってるなあという印象が、この芝居でしました。

 俺は面白いと思うけど、うちのカミさんにゃわからんもんね。こういうのもわからせられるほどの力量が出たら、それは凄いと思うけれど、そういう方向は考えてなさそうだしね。

 カットさんが必ずベタギャグ・ベタ展開を織り込む理由がよくわかったかも。うちのカミさんに結構好評だったもんなあ。

 しかしまあなんだ。この前自分が出たhippishowと比べると、その方向性は全く正反対だよ。