(昔の)ボーイ・ミーツ・(遠い昔の)ガール
会社近くのもう、今から昼食わないと間に合わない時間。
寒空の中、電柱にもたれたばあさんが道を尋ねてきた。
うっかり路地を外れてとんでもないところに出てしまったらしい。
辛そうだったので、手を引いて連れて行った。
マンションの中まで見送った。
か細い声で感謝をされたが、大丈夫だったろうか。
あんまり辛そうだったのでおぶっていきましょう、と肩を貸そうとしたら、
「あたしゃ重かけん悪か、よかです。気にせんでください」
何度も固辞し続けた。
・・・心は乙女だな、となぜか思った。
なんかなぜか、悪いな、とばかりにどきどきしてしまった。
昼飯は10秒チャージだった。
もうすぐキープが切れそうだ。