JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

(昔の)ボーイ・ミーツ・(遠い昔の)ガール

 会社近くのもう、今から昼食わないと間に合わない時間。
 寒空の中、電柱にもたれたばあさんが道を尋ねてきた。
 うっかり路地を外れてとんでもないところに出てしまったらしい。

 辛そうだったので、手を引いて連れて行った。
 マンションの中まで見送った。
 か細い声で感謝をされたが、大丈夫だったろうか。

 あんまり辛そうだったのでおぶっていきましょう、と肩を貸そうとしたら、
 「あたしゃ重かけん悪か、よかです。気にせんでください」
 何度も固辞し続けた。

 ・・・心は乙女だな、となぜか思った。
 なんかなぜか、悪いな、とばかりにどきどきしてしまった。


 昼飯は10秒チャージだった。
 もうすぐキープが切れそうだ。