JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

イチゴの日

 自分は演劇やったりとか、バンドやったりとかで人前でわーっとやっちゃうフロントマンです。つーか何で自分がフロントマンになっちゃうのかよくわかりませんがいつも、気が付いたらなってる感じです。

 筒井康隆の「イチゴの日」というSF小説があって、まあホラーといえばホラーに分類されるのか。
 人気絶頂のアイドルの少女が、うっかり楽屋で立ち聞きをしてしまう。
 実は彼女はとてつもなく醜悪な外見であるにもかかわらず、幼少の頃から美的感覚を全く正反対で教え込まれていた。
 それは周到な計画の元、マスメディアが「醜悪な外見であるにもかかわらず、自分を本気で美少女であると思いこんでいる珍妙なアイドル」を作り上げるプロジェクトの上に行われていた。
 そしてその仕上げは、彼女の人気絶頂の、本当に幸せな瞬間に「実はあなたはブスなのです」と真実を伝え、その様を楽しむ、というものであった。

 まさに、壮大な「持ち上げて落とす」。


 身一つで舞台に立たなきゃいけなかったりする我々って、マスメディアだったり、そこら辺の小さなシーン上のメディアだったり雰囲気だったり。そういったものに持ち上げられなきゃいかん瞬間があるんだけど、いつ落とされるか、もしくは自分からうまい具合に落ちるか。そっからさらに別の者に持ち上げられるのが理想だけれど、いつかはそう、そんな突き落とされる、イチゴの日がやってくる。

 薄ぼんやりと、ずーっとその恐怖と戦いながらボクはずっといろんな事をやっている。
 自分のバンドなんて本当にそういう綱渡りでやってきたバンドだ。ホームページだってそう、何でもそう。持ち上げられてる恐怖なんて、考えないことに越したことはないんだ。ないんだよ。

 その恐怖を身近に感じる出来事が起こった。先日のボクシングだ。
 (書きかけ、続く。コメントは自由にしていただいて構いません)