JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

漫画かよ!

 会社帰り、駅から家に向かっていたら、居酒屋の前の路上にバナナの皮が落ちていた。
 すごいなあ、漫画かよとか思っていたらそこに酔っ払いの集団が通りがかってきた。

 わくわくしながらその集団がバナナ付近を通過するのを眺めていた。そりゃあ、期待するさ。誰だって期待する。いまどきバナナの皮で転ぶ人間なんて皆無だ。だからこそ、低くっても比較的高い確率でそれが発生する現場に、いまおれは立ちあっているんだ。さあ、後は足元をふらつかせて、転んでくれ。漫画みたく、さあ!

 しかしその願いむなしく集団は足元にさほど気をつけてもいない様子だったにもかかわらず、無事通過していった。
 「起きないから、奇跡って言うんです」
 という台詞は名言だと思った。