晴れの時はよいことが起こる
萩本欽一が物議を醸すくらいの「験担ぎ男」で、その徹底振りを「ダメな時ほど運がたまる」という本にしたためたことがありまして、実際その本を僕も買って読んでふむふむ、しかしこれはなかなか宗教に近いレベルだなあ。これはまさしく
「必殺仕業人」のやいとや又右衛門ではないか!!
殺しの前に必ず吉兆が出るまで占いを繰り返す男が、最終回だけ何故か大凶のおみくじを引き、おそらく的が予想より早く帰ってきて仕事の手順が狂ったか。冷静沈着な男が迂闊にもそのおみくじを投げ捨てたところからチームの面が割れ、仲間は殺され…
とまあそれくらいドラマのように験担ぎが本当になるのかどうかは神のみぞ知るなんでしょうが、今日はカミさんの退院日でした。
欽ちゃん的には「良くないこと起こるよ」という大雨。
彼の著書では天気による験担ぎがかなり出現します。まあカミさんの抗がん剤治療からの退院手伝いと今回は実家への送迎なので、あまり良いことではないでしょう。
近所の格安レンタカー屋で車を借りたら、太宰府は土砂降り。
さて、全ての事を終え、カミさんの実家に行き。
すっかり打ち解けた義母(※明らかに亡き義父と自分を重ねてるっぽい雰囲気)にお任せします、と丁重に挨拶。
で、レンタカー屋のガソリンスタンドにとっとと車を返しに行きました。
支払いを済ませた後。店の外に出た瞬間に晴天が広がっていた。
「いきなり暑いわ!!」
通りすがりの高校生が「あちー!」って叫んでたけど、声に出ちゃったよ!
「言われんでもわかっとる」
晴天の日差しは大雨の水を水蒸気に変え、アスファルトから立ち込めるなんともいえないぬるい空気を下から舞い上げ、もう秋を思わせるがまだまだまんざらでもない直射日光の暑さ。
でもまあ、のんびりと歩いて帰っていたら、丁度遺跡発掘の現場に遭遇。あら珍しい。
覗き込んでいたら、現場の責任者の女性が自分に何か用があるのかと気付いたらしく、こちら側に挨拶をしにやってきた。丁度、自分も沢山描いていた懐かしい鉛筆図面の束が、彼女の持っていた画板から見えた。
「いえ、昔夫婦で掘ってましてね。カミさんは最近まで掘ってたんですよ。懐かしくなって」
「そうなんですか!お名前は…」
太宰府の遺跡発掘チームはいくつかの班で分かれていて、なんとカミさんが所属していた班だった!!
積もる話。そしてカミさんの現状。
「生きている」
という報告が出来た喜び。
少し現場を覗かせてもらうと、運がよければすごいものが出てきそうな現場で、むちゃくちゃ自分も参加したくなるような遺構でした。
どんちゃん、班の皆さんからすごい笑顔で「お大事に」ってエール貰ったよ。
また責任者の女性の方もちょっとだけ面識があったとのことで、そちらからもお見舞いもらったぞ。
晴れから始まった帰り道。確かに、いい事があった。
萩本欽一は侮れない。