JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

宇宙サービス10周年ラウンジサウンズ

 10/22から11/5まで3本ライブ、しかも気の抜けないオファーばかりであったこと、あとはまあちょっと察して頂戴的出来事がありライブレポを書いていなかったのですが、ようやく日が経って体力も回復してきたこともあって。ゆっくり書きます。

 10/22の10周年ライブはいろんな意味で特異点な日。

 この日自分は有給をとっておりました。ライブのこともなんですが、この日は嫁のがん検診の区切りの日でもあり、インフォームドコンセントに出かけてました。
 癌の再発は、抗がん剤が消しきれなかった癌の生き残りが表れたということ。そしてそれは、抗がん剤の効かないタイプへの変異ではないか、という懸念。

 この日の前まで、自分はライブのほうに浮かれておったのです。
 直前にボギー氏から
 「シークレストゲストに清水宏さんが決まっちゃいました・・・!」
 ってメールが来て。もうどう転んでもライブは成功するじゃない。
 でも流石に、自分は嫁との病院に挑む際、こう念じてしまった。
 「ライブうまく行かなくてもいいから嫁にいい結果が出ますように」
 だなんて。

 結果は大吉と出ました。抗がん剤は効果を発揮し腫瘍は消滅。

 「こりゃ、まずいな。ライブうまく行かないんじゃないか」
 と考えた通りちょっと集客が、呼べた客と同じくらいの「来れません」的なお詫びメールを受け取る結果に終わった。まあ、でも集客ですんでよかったのだと思う。ライブの中身は実際頑張ったのだから。この盛り上がりようで。

 この日のライブはどのバンドも素晴らしかった。
 ロゴスでお世話になったクルセイドさんは沢山お客さんを呼んでいただいた。
 michiさん、自分に似ていると思っている。一途で不器用だけど光る武器を持つ男。
 一銭めしやはラウンジサウンズの戦友。何度もおめでとうといっていただいた。
 岩国からわざわざ呼んだ戸川碧子、ミラクルを起こした。終演後みんなが息を呑んで無音に。ぶったまげたボギーは来月のオファーをすぐさま投げてた。
 ポカムスも戦友、というより藤田君がこの今を生き抜く戦友。まさかのヤマさんからのジマオ祝福コール連呼。
 もう20年を超える付き合いの戦友、DJびぃびぃもいい仕事してくれた。
 清水宏さんのMC、幕の後ろで準備してる自分たちが声上げて笑ってしまった。

 実際、自分たちは色々なトラブルが続いて少しばかりギクシャクしていて、このライブ迎えられないのではという焦りを何度も経験した。
 もう少し円満に事が進んでいれば集客も、このライブの企画ももっと豪華に出来たのかもしれない、と思った内容に終わったところもある。
 だが何とかやりきりました。あてぶり芝居とか独裁者の行進とか懐かしいギミック盛りだくさん。何より宇宙サービスの名付け親・キドイチロウくんが来てくれた!!ステージに上げたキドイチ、アドリブを外さない!!さすがステージの天才であった。
 アンコール前にやった曲は「これ以上成長の望めない君に」。
 この日はミニコミと一緒に急ごしらえして音源を作った。
 この曲は嫁の手術後、医者が開腹した結果癌だった事を告げた日の夕焼けの歌。
 

 やってよかったとおもったよ、この曲歌って。

***

 キドイチ、終わった後身の上話。
 「いやあ、農業が当たっちゃって大変で。人雇いたいんですよ今!」
 おいおいその話本当か?
 嫁さんを案じる言葉を交わしたあと、これ、お見舞いだから取っといてくださいと小さな封筒。少し覗いたら寸私的なお札が見えて「キド君、大人になったねえ」見たいな話して別れて。

 打ち上げの席で封筒の中身見て、ボギー、クルセイドの白夜さん、びぃびぃくんの前で仰天。寸志には多すぎるほどのものが・・・!!

 とそこに清水さんが合流してきて又大騒ぎ、説教、大盛り上がり。

 本当にこの日は特異点だったなあ。
 次の日、有給二日目。抜け殻のようにぼんやり過ごした。