JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

仕事人講評「的は婿殿」

 必殺の旅ものとこのデジタル画質ってのは合わんですのう!!
 …と冒頭でいっぱしのマニアな台詞を口にしたのもつかの間。画像作りに色々な実験が凝らされていて。小五郎の回想シーンの、船着場の演出なんて粋だなあと思った。劇場の芝居だよねえ、ああいう場転。

 匳の殺しの演出は見事。
 そもそも時代劇のチャンバラってのは突き詰めれば人殺しで。そいつをいかに爽快に、なおかつ罪深く見せるかというのは非常に難題だ。爽快なだけじゃスタンダードな時代劇になってしまう。
 必殺が突き詰めたのは殺しのシーンに過剰な荒唐無稽を詰め込むことだった。「お前アホか!!」とあんぐりとさせられて、そして結果転がる死体に恐怖を覚える。
 いや、これだよね!!

 ストーリーの骨格は予想通りに推移したんだけど、今までであればこうお約束事にシフト、という予想は全部外れた感じ。「しっかりしろい!!」と言わせて依頼には行かない、やっぱわかってますね。 

 改めて、うん、田中は瓢箪から駒
 必殺の若手キャラで久々の大物です。年寄りマニアがべた褒めです、うん。