仕事人講評「一発勝負」
脚本は前期、演出は後期といったところか。
絵面的には後期仕事人テイストの演出が、ちょっと勝ってしまった感があるか。
個人的に今回おおっと思ったのは、被害者の妻と主水の番屋でのシーンでしょうか。
後期仕事人って後半話数は苦痛でねー。
なぜかっていうと、後期仕事人はまあ、前菜のような悪人による善人殺害ショー+レギュラーによるミニコーナーの後に壮大なエンターテイメントである殺しのシーンが堪能できる、ってのが売りだった訳。
当然、後半になると殺しに対する驚きも薄れて、この前菜部分がおもーくなってくるわけですよ。
前半5分に登場するにこやかな善人が、必ず不幸な目にあって殺されるのをわかってて観たいかしら?
冒頭、久々にその感情が蘇ってたんですが、ここで被害者側に強さを持たせたのはよかった。
殺しのシーンで思ったんですが、近作の殺しの技自体はなんだか地味。今回の演出のような「いや、普通はバレるだろう…いや、バレてない!!」ってな感じのぶっ飛び方もアリかなあ、と。
その方向性を突き詰め始めたら面白そうだなあ・・・。
前期必殺はそこも含めて手際よくやってたわけで、そのレベルを期待するのは難しいのかねえ…残念だ。ともかく松岡は、スピーディにやったらもっと映えそうなんですけどね。