JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

第57話「あんたこの滅殺豪波動をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、ジンジャーってなんだったのかと思う

脚本:村尾ニコルソン
監督:蔵原ニコルソン

あらすじ

 江戸の悪党はおろか善人から徳川将軍まで、さらには女子供も手にかけ、ひいてはてんとうむしなどの益虫の類まで外道殺しを行う仕業人・家吉(大滝秀治)の殺しを請けたやいとや。しかしあの旅籠の女将の無駄に金のかかった捜索によって、家吉の殺し技はBC拡散兵器の類と判明し、家吉の武器庫の前で不意打ちをかければあっさり仕置きできると踏んだ仕業人たちはそれを実行。しかし、やいとやが家吉の額にやいと針を突き刺すその瞬間、驚愕の事実を知る。やいとやはずっと「おおたきひでじ」を「おおたきしゅうじ」だと思っていたのだ。家吉はさらに「『らいりゅうた』じゃなくて『りゅうらいた』なんだよ。『てらだのう』じゃない、『てらだみのり』なんだ…!」うなだれるやいとや。果たしてこの8000年近く名前を勘違いという羞恥に耐え、やいとやは仕置きを完遂できるのか?しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

特にエピソードを膨らましようもないのに間違ってやってくるらいりゅうた氏(演・白野江しょうた)。

解説

 執筆するたびに(いい意味で)暑苦しさが増す村尾ニコルソン作品。「てんとうむしなどの益虫まで殺す外道になり下がっちまったのか!!」とシャウトし怒りを燃やす妙な熱血漢のやいとやは今作でしか見られない。嘉吉に至っては急にあの旅籠の女将とねんごろになりつつ終始太陽に向かって走っている。依頼人・およね(うじきつよし)の芸者姿が強烈な印象を残したこの回は、女王卑弥呼の謎を大胆に解釈する意欲作となっており、結局全部西郷輝彦演じる次郎衛門がタイムスリップしたことで解決させている。

太陽に向かって走るシーンでは連星の太陽のある惑星迄遠隔ロケに行っており、その割に撮れ高は1分満たなかったという。

次回予告

とにかくおしまいなのか。いや、お兄ちゃんはおしまいなんだ。さあこれを飲んで。毒と書かれた瓶の中には、果たして毒は入っているのか、いないのか。次週新必殺仕業人、ご期待ください。