JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

第9話「あんたこの最高の人間をどう思う」

※当記事は「必殺シリーズ」「必殺仕業人」とは一切関係がない二次創作です。

主水、キン肉オトコに会う

脚本:猪又ニコルソン
監督:松野ニコルソン

あらすじ

 嘉吉の住む長屋の横に越してきた信州出身の市蔵(阿藤海)は、ヘヴィ級のボクサーになるために江戸にやってきたという。彼の夢をかなえようと時空を超えてやって来たドン・キング(本人)に利用され、瞬く間に世界チャンピオンとなった市蔵は連戦連勝。しかし強敵・ホリフィールド(林家正蔵)を迎えた防衛戦で興奮した彼は、うっかりレフェリー(古川ロック)の耳をかんでしまい反則負けを喫する。世界中からバッシングを受け無一文となり食い扶持に困り果てた市蔵は、反物問屋美作屋への押し込みボクシング強盗を画策するが、そこで放ったボクシングあるある漫談が大ウケしてしまい…しかしそこで主水が「おれたちは何か重大な間違いをおかしてるのではないか」と気付き始める。

ボクシングあるある漫談は、撮影現場でも爆笑の渦だったという。

解説

 タイトルおよび、ボクシングの下りの間ずっと江戸時代が一切関係ない異色作。ドン・キング本人の怪演ともあいまって佳品に仕上がっている。特に美作屋への押し込みシーンでの氏の演技は、一切演技指導なしの一発撮りのためまったく見るに堪えない。殺しパート最後のバニヤン峰岸徹)の意味深かつ印象的だが別に何も意味のない台詞「俺は、うさぎのように臆病だ…」は、後日さまざまなパロディの標的となっている。

演出上、本当にうさぎを出現させる必要性はなかったように思われる。