JIMA-DON

ニシジマオさん(自称日曜音楽家)の日常と散文駄文

涙雨の二日市

 カミさんの法事の手配と仏具の買い物関連がようやく片付いた。法事が終わったら、初盆までしばらくは落ち着くことになる。こういうニッチな買い物は、案外町の商店街が役に立つものだと思い知る。世間話も出来るし。
 しばらくカミさんの思い出話をしていた。当たり前だが仏具屋だから、そういう客が多いだろう。向こうも手馴れたものだといった然。が、まあ39でガンで亡くなるというのは稀なものだから、やはり色々と話が深くなってしまった。買い物自体は、思ったより安く済んでしまい驚く。

 こういう体験は本当に60とか70くらいになってするもんだと思っていたら40半ばで遭遇する羽目になった。ずいぶんと早送りの人生だと思う。老いでじっくりと20〜30年かけて味わう痛みをここ5年くらいで一気に見せられた感。まあ、それはもう稀な体験したのだと割り切るしかない。

 帰りはちょっと遠回りをしてイオンモールで変わったものを買い、カミさんが遺した食材をはかすために色々と。チョコレートだけじゃなく何とか鍋の素やら、トムヤムヌードルやら、まあいろいろが残っている。近所の野菜屋に買い物に行って、残したそれらを使っての生活が続く。
 どんちゃんのアイコンは近所のそこかしこに残っている。一緒に歩いた街、一緒に回った店、一緒に見つけた近道。その生前の思い出は今をもっても自分には美しい。楽しい気持ちになれる。もちろん鈍い痛みもつきまとうけれど。ふたりで何かしらアホな会話に終始した思い出しか残っていない。

 でもやっぱりハッピーなわけじゃない。今日は終始小雨が降っていた。ずぶ濡れになるほどではないけど、終始ぽつんぽつんと。涙雨だったのかな。初七日法要の時だって大雨起こしたしな。